●オリンピック競技大会 オリンピックきょうぎたいかい
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1894年6月23日,フランス人のピエール=ド=クーベルタンの提唱により,パリ大学ソルボンヌ講堂において先進国の知名人・教育家・体育・スポーツ関係者を招集して開かれた国際会議で満場一致で決議された国際総合競技大会のこと。ローザンヌ(スイス)に本部を置く国際オリンピック委員会(International OlYmpic Committee=IOC)が主催する。1984年10月現在,IOCには159の国と地域のNOCが加盟し,オリンピック運動を推進している。現IOC会長は,スペイン出身のファン=アントニオ=サマランチ氏。【オリンピック運動の目的】オリンピック運動の目的は,[1]スポーツの基盤である肉体的・道徳的資質の発達を推進すること。[2]スポーツを通し,相互理解の増進と友好の精神にのっとって若人たちを教育し,それによってより良い,より平和な世界の建設に協力すること。[3]全世界にオリンピック原則をひろめ,それによって国際的親善を創りだすこと。[4]世界の競技者を四年に一度のスポーツの大祭典,すなわちオリンピック競技大会に参集させることにある(『オリンピック憲章』第1条。以下単に『憲章』と呼ぶ)。こう見てくると,[1][2][3]の目的達成のための一つの具体的な方法がオリンピック競技大会であるといえる。オリンピック競技大会は4年に1回開催され,〈どのような国,あるいは個人についてであれ,人種,宗教もしくは政治を理由として差別をしてはならない〉(『憲章』第3条)とされ,〈個人やチームの間で競われるものであり,国の間で競われるものではない〉(同第9条)としている。
【旗とシンボル】オリンピックの旗は,クーベルタンが1914年のIOC創立20周年記念のために考案したもので,1920年の第7回アントワープ大会で使われたのが初めてである。〈オリンピックの旗は白無地,縁なしのもので,旗の中央に5個の互いに組み合わされた輪−−青,黄,黒,緑および赤−−が左から右ヘ,この順番で並び,掲揚するときは,青の輪が左側の最上位,旗竿に最も近い位置になるようにする〉とし,〈オリンピック・シンボルは,それが単色,多色のどちらで描かれてあっても,5個の互いに組み合わされた輪だけからなる〉と規定している。さらに〈オリンピックの旗とシンボルは,5大陸の結合と連帯を,そしてまた競技者が世界中からオリンピック競技大会に集合してフェア・プレーの精神で堂々と競い,友として交わるようにと,クーベルタン男爵が説いた理念を象徴するものである〉(『憲章』第6条)としている。ここにいう5大陸とは,ヨーロッパ・アフリカ・アジア・オセアニア・アメリカの各大陸のことで,どの色がどの大陸を示すということはない。
【モットーとエンブレム】オリンピック・モットーとは,Citius(より速く),Altius(より高く),Fortius(より強く)のラテン語の三つの標語のことで,もとはといえば,クーベルタンの友人で,ノルマンディー生まれのフランス人神父デイドンが,自分が校長をしていたルアーブルのアルキュー高等学校のラグビー選手たちに与えたことばである。それをクーベルタンの片腕であったハンターが,オリンピック・シンボルの下にこの標語を入れたものをオリンピック・エンブレム(表章)として考案し,1926年以降“オリンピックのモットー(標語)”となった。これらはIOCの独占的所有物で,オリンピック運動以外に使用することはできず,その管理は,各国内オリンピック委員会(National OlYmpicCommittee=NOC)に一任されている。
【聖火と賛歌】オリンピック聖火は,古代オリンピック発祥の地であるオリンピア(ギリシア)において点火され,開催地までリレーされるのが恒例。聖火リレーは,1936年の第11回ベルリン大会の時に試みられたのが初めてで,現在も継続されている。“賛歌”とは,パロマ(Paloma)作詩,サマラ(Samara)作曲の『オリンピック賛歌』のことで,IOC総会やオリンピックの開・閉会式などの式典では必ず演奏され,歌われている。
【IOCとIOC委員】IOCは,前記したように,いつの場合でもオリンピックの主催者で,前記したように,1894年6月23日,パリ大学ソルボンヌ講堂において開催された国際会議で,近代オリンピック競技大会を統轄し,発展させる責任を課せられて創設された国際的な組織団体で,その本部はローザンヌ(スイス)に置かれている。IOCは,IOC委員によって構成され,運営されている。委員は〈フランス語または英語を話し,かつIOCの承認したNOCが存在する国の国民で,その国に居住する者でなければならない〉とし,〈1国1名に限るものとする。ただし,オリンピック運動を推進している国々のなかでもっとも大きく,またもっとも活発にこの運動を進めている国々およびこれまでにオリンピック競技大会を開催した国々については例外を認め,最大限2名の委員を置くことができる〉(『憲章』第12条)とされている。また〈IOC委員は,自国におけるIOC代表であって,IOCに対する自国の代表ではない。委員は自国の政府,その他個人であれ団体であれ,だれからも,自己を何らかの意味で拘束し,または自己の自由な投票を妨げる恐れのある指示を受けることはできない〉(同)。“セッション”(Session)と称する通常の総会は毎年1回,オリンピック・イヤーには年2回開催され,会長,3名の副会長,5名の理事の計9名によって構成される理事会は随時開催される。
【NOCとその目的】NOCとは,国内オリンピック委員会(National OlYmpic Committee)の略称。オリンピック競技大会に,その国・地域が代表選手団を派遣する場合,このNOCがその母体となる。日本のNOCは,日本オリンピック委員会(Japanes OlYmpic Committee=JOC)である。1984年10月現在,IOCには159のNOCが加盟しており,これを大陸別にみると,アフリカ大陸46,アジア大陸とアメリカ大陸が37,ヨーロッパ大陸が32,オセアニア大陸が6となっている。〈各NOCは,オリンピック運動とスポーツの発展とその保全とを確保すること〉を目的とし,〈各国がオリンピック競技大会もしくはIOCがパトロネージを与えた他の行事に自国が代表されていることについて,責任を持つ唯一の責任履行機関である〉(『憲章』第24条)。各NOCはまた,完全な自主独立団体でなければならず,政治的・宗教的・経済的圧力に屈してはならないとされている。
【IFとその役割】IFとは,国際競技連盟(International Sports Federation)の略称で,オリンピック大会においては,各競技の運営と技術面を担当する。現在IOCは,次のIFを公認している。すなわち,[1]陸上競技,[2]漕艇,[3]バスケットボール,[4]ボブスレー・トボガニング,[5]ボクシング,[6]カヌー,[7]自転車,[8]馬術,[9]フェンシング,[10]サッカー,[11]体操,[12]ウエイトリフティング,[13]ハンドボール,[14]ホッケー,[15]アイスホッケー,[16]柔道,[17]リュージュ,[18]レスリング,[19]水球,[20]スケート,[21]近代五種・バイアスロン,[22]スキー,[23]テニス,[24]卓球,[25]射撃,[26]アーチェリー,[27]バレーボール,[28]ヨットの28団体。このうち,ボブスレー・トボガニング,アイスホッケー,リュージュ,スケート,バイアスロン,スキーの6団体は冬季競技の団体である。実施競技は,この28の中から選ばれることになっており,1984年の第14回オリンピック冬季競技大会(サラエボ)では6競技,第23回オリンピック競技大会(ロサンゼルス)では前記のテニス,卓球を除く21競技が実施された。しかし,1988年の第24回ソウル大会ではテニス,卓球も正式競技に加えられ23競技となる予定。なお大会で8位までに入ると“入賞”とされ,1位には金メダルと賞状(ディプロマ),2位には銀メダルと賞状,3位には銅メダルと賞状が与えられ,4位〜8位には賞状のみが与えられる。
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