●オーリニャック文化 オーリニャックぶんか
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西ヨーロッパから西南アジアにかけて広く分布する後期旧石器時代のフリント製石器群を特徴とする文化。フランスのロアール川上流,オーリニャック村にある洞窟遺跡を標式遺跡とする。この文化は19世紀後半から20世紀はじめにかけて,G.モルティエ・H.ブルイユらによって後期旧石器初に位置づけられたが,1933年にペイロニによってペリゴール系と真正オーリニャック系の異なる二系列に細分された。フランスではシャテルペロン期→オーリニャック期→グラヴェット期と編年的に細分され,これらを総称してペリゴール文化と呼んでいる。南欧やバルカン半島では,オーリニャックとグラヴェットは並行しているといわれている。オーリニャックの特徴をもつフリント石器群はさらに東方へはパレスチナ・イラン・アフガニスタンまで及んでいる。この文化の起源を西アジアに求める説もみられる。ラジオ=カーボンによる絶対年代測定値では,ハンガリーのイスタロスキョ洞窟の4万2,350年±1,900B.C.という値が最も古い年代を示し,そこではヴュルムI・II期のあいだの亜間氷期の層に文化層を形成している。オーリニャック文化を特徴づける遺物群としては,ナイフ状の刃器・掻器・削器・彫器・舟底形石器・錐などの機能分化した石器群が発達するとともに,これらの石器によって製作可能となったと考えられる骨製尖頭器や彫刻類が出現する。
一方,この文化は西南ヨーロッパの後期旧石器洞窟壁画芸術のさきがけとなり,また,東欧やシベリアにも類似品をみる「ヴィーナス像」などの彫刻を生み出すなど精神生活の高揚した時期として知られている。
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