●オデュッセイア
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前9世紀ごろの詩人ホメロスの作として,『イリアス』とともに伝えられている叙事詩。全24巻,1万2,110行から成る。『イリアス』が前1200年ころの10年間つづいたトロイア戦争中の,アキレウスを中心とした物語であるのに対して,『オデュッセイア」は,トロイア陥落後のギリシア軍の部将オデッセウスの帰国物語である。『イリアス』の構成が単線的であるのに対して,『オデュッセイア』は,オデュッセウスの故郷イタカを舞台とし,他方では10年にわたる彼の漂泊を筋として,複線的な構成になっている。I〜IV巻は,イタカで留守を守る彼の子テレマコスと,妻ペネロペが多くの求婚者の横暴に苦しめられる状態を物語っている。V〜XII巻は,オデュッセウス自身の話で,トロイア陥落後の漂泊中に彼が経験した多くの冒険を語っている。XIII巻〜XXIII巻では,オデュッセウスの帰国と求婚者たちに対する報復,妻との再会が語られ,最終巻は彼と求婚者たちの遺族との和解で終わる。この叙事詩は,夫婦の絆・日常の温和な世界を主題としていることでは,激しい調子で一貫している『イリアス』とは対照的な作品である。