●オッカム
ヨーロッパ 英国 AD1285 プランタジネット朝
1285ころ〜1349 イギリスのスコラ哲学者。イングランドのオッカムで生まれる。若くしてフランシスコ会士になる。オックスフォード大学に学び,同所で神学・哲学を講じた。ペトルス=ロンバルドゥスの『命題集』の注釈について異端嫌疑をかけられ,1324年教皇ヨハネス22世によってアヴィニョン教皇庁へ召喚。同地で福音的清貧問題で教皇と争い,1328年アヴィニョンを脱出,破門宣告を受けた。皇帝ルートヴィヒ4世の保護を求めてピサへ赴く。ミュンヘンに移り,教皇攻撃の論文を発表する。1349年同地で没。哲学・神学の重要問題を論じ,独創的学説を開陳した。実念論を否定し,論理学史上革新的な名辞論を唱えた。神学問題について自然的理性による論証を排した。この神学と哲学の分離は超自然的信仰領域を守るためであったが,近代哲学・科学への道を準備した。彼の影響はオックスフォード・パリなどヨーロッパ各地の大学に浸透した。