●恐山 おそれざん
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青森県下北半島の中央部に位置する体火山。宇曽利山とも呼ばれる。山頂は直径4kmのカルデラを形成し,中央には火口湖の宇曽利山湖がある。この周辺を大尺山(おおつくしやま828m)を主峯とする外輪山が取り囲み,釜臥山(かまぶせやま)・朝比奈岳などの寄生火山がそびえている。恐山という名称の由来には2説ある。江戸時代に書かれた『封内郷村誌』などにみられる硫黄臭が漂い,数多くの熱温泉が噴出する恐ろしい場所という意味で,ここを恐山とするものと,他は,この地方に漁場をもつ八雲・幌内地方のアイヌ方言に由来する合成語とするものである。アイヌ語のusorは湾という意味で,usorの山とは,湾にある山という意味である。これが日本語に音写されて恐山となったという。おそらくは,漁場から遠望して,アイヌたちがusorと呼んでいた地域を,北上して来た和人が,実際にここに登ってみて恐ろしいと感じ,ここを恐山と呼ぶようになったと考えられる。18世紀に恐山に3度登った菅江真澄の旅日記「於久能宇良宇良(おくのうらうら)」では地元の人々が恐山のことを「山の湯」と呼び,恐山は彼らにとって湯治の場であったとされている。ここに地蔵尊が建立され,熱温泉には地獄の名称がつけられ,宇曽利山湖の白砂の浜は「極楽浜」の名称が与えられだ。温泉の治療と,地蔵尊への祈りとが結びつき,恐山は恐山信仰の場となっていったのである。また,宇曽利山湖に生息する奇形のウグイや石楠花の群生,周囲を取りまくブナやアスナロの原生林は,自然料学の領域でも注目され,薬研温泉を始めとする温泉にも恵まれ,近年は保養・観光地としても知られるようになった。
〔参考文献〕楠正弘『庶民信仰の世界』1984,未来社
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