●オーストラリア原住民 オーストラリアげんじゅうみん
大洋州 オーストラリア AD
オーストラリア大陸に先住していた,オーストラロイド人種に属す人々。氷河期の海水位の低くなった時期に移住してきたものと思われる。18世紀後半にヨーロッパ人との接触が始まったときにはおよそ30万人,500部族が存在していたと推定されるが,その後減少した人口も回復し,現在では17万人程度である。原住民は農耕+牧畜を行わず,採集狩猟生活を営んでいた。男は狩猟を主として行い,女性は植物や小動物を集めるというように両性間の役割分担がみられる。各部族内は,聖地を含む領域を有し,その祭祀に優先権をもつ地縁的集団へと分割される。親族関係が婚姻相手・互いのとるべき態度・権利義務関係を規定している。北部の一部地域を除いて外部との接触がほとんどなかったため,単純な技術に比して複雑な親族関係といった独特な文化を保持していた。また,中央部の諸族で,動植物それぞれの種と関係をもつ集団がその増殖を願う儀礼をするということに代表されるような,トーテミズムといった宗教的現象でも有名である。近年は,都市部や牧場などに定住しており,白人に侵食された土地の権利回復運動も盛んである。〔参考文献〕新保満『オーストラリアの原住民』1980,日本放送協会出版部
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