●オシリス
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古代エジプトの神。エジプト名はウシル。イシスの夫で,ホルスの父。複雑な要素をもつ神で,穀物神・死と復活の神・冥界の王ナイルの・洪水の神などとされる。もともとデルタ地帯に起源を有する一地方神であったが,この神に対する信仰が広まるにつれて地方の諸神と合体し,さまざまな属性をもつようになった。なかでも重要であったのは,初期王朝時代の王墓が営まれていたアビドス市の墓地の神ケンティアメンティウ(西方の第一者)との結合で,これによりオシリスは冥界の支配者,死者の復活のための保護者となり,以後アビドスはオシリス信仰の中心として栄えることになった。この死と復活の神オシリスをめぐる神話については,プルタルコスの「イシスとオシリスについて」に詳しい。それによれば,オシリスは弟セトによって殺され,死体を八つ裂きにされてナイル川に流されたが,妻イシスの献身によって蘇生し,冥界の支配者となったという。国王はホルスの化身とされ,死後はオシリスになると信じられたが,中王国時代に入るころから一般人もオシリスになることができるという信仰が広まり,またへレニズム・ローマ時代には,オシリスはギリシア的要素が加えられてセラピス神となり,その信仰が地中海世界に普及した。オシリスの姿は,2枚の羽根のついた上エジプトの白冠(アテフ冠)をかぶり,両手に王笏と王鞭をもち,下半身は包帯を巻いたミイラの図像で表された。