●オコゼ
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カサゴ科に属するオコゼ類の総称。食用にするオニオコゼなど幾種類かあるが,いずれも形が奇妙で醜くく,背ビレの棘に毒を含んでいて,このような特徴をもつウニ,巻貝の類や,陸上の毛虫類をオコゼと称しているところもある。一般に〈山の神はオコゼを好む〉とか〈オコゼは山の神の妻〉あるいは〈山の神の使者〉といい,その伝承は各地に広がっている。三重県尾鷲市八木山などの山の神笑い祭りではオコゼの尾を袖日から少しずつ取り出して大笑いをするが,山神祭の供物にしたり,狩猟時に乾燥したオコゼを持参して・猟祈願の呪物とする例は多い。このように山の神との関連は密接であるが,これはオコゼを山の神と海の女神を結ぶ仲介者とみることから生まれた民間信仰伝承であって,特徴のある,呪的なオコゼには格好の役なのであろう。『大和本草』には〈海人用て山神を祭り,日和と得ものあらんことを祈る〉とあり,岩手県遠野布では〈山の猟には海オコゼを,海の漁には山オコゼを持参すると験あり〉などという。山オコゼとは巻貝や鹿の耳タブをさすが,このようにオコゼは,山のみならず海の幸を願い,怪我のないよう祈る人々にとって,重要な役割を担っている。オコゼを失せ物探しの呪具にしたり,魔除けに用いる例も多くみられる。オコゼを男根の代償とする説も一部にある。
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