50音順    検 索

●諡 おくりな

AD 

 死後に生前の事蹟を考えて贈る名。実名の諱(いみな),成人したときにつける字(あざな)に対するもので,たとえば後漢の光武帝劉秀の場合,光武が諡,秀が諱である(字は文叔)。諡の制は周公が定めたとされるが,実際には戦国時代に始まったようであり,秦の始皇帝により一度廃止されたが,漢代に復活され,以後歴代王朝には皇帝や臣下の諡を定める機関が設けられていた。このほか,僧に贈られる僧諡,親族や門人が贈る私諡,などの制がある。諡には故人への評価という性格があり,文字ごとに意味する内容が定まっていて,これを諡法という。先の光武帝の場合,光には王朝の継承に成功したという意味が,武には禍乱を平定したという意味がこめられている。諡の制度は日本にも伝わり,神武・仁徳などの天皇号はすべて諡である。ただその命名法は,必ずしも中国の諡法にはよらず,御所名・山陵名による場合も多い。このほか,藤原忠平の貞信,徳川斉昭の烈などは,いずれも中国風の諡である。