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●奥の細道 おくのほそみち

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 松尾芭蕉の書いた紀行文。1689年(元禄2)の東北・北陸地方旅行にもとづくもの。旅の途中でつくられた発句(俳句)も織りこまれているが,全体としては1692年から翌年にかけて執筆し,1694年初頭に完成したものと思われ,その年4月に素龍による清書本が完成した。京都の井筒屋から刊行されたのは1702年である。清書本の題簽(だいせん)に従って,『おくのほそ道』と表記するのがよいとされている。3月下旬に江戸を出発し,日光・黒羽・白河の関・仙台・松島・石巻・平泉・尾花沢・立石寺・羽黒山・鶴岡・酒田・象潟・市振・金沢・山中・福井・敦賀などを巡り,8月下旬,大垣に着くまでのことが書かれている。事実の記録ではなく,自由な創作的態度によるもので,簡潔な文章のあいだに的確に発句が挿入され,全体を一編の長い詩ともみることができる。芭蕉に同行した曽良の旅日記(随行日記)と比べると,事実にとらわれていない創作態度がよくわかる。