●奥村政信 おくむらまさのぶ
アジア 日本 AD1686 江戸時代
1686〜1764(貞享3〜明和1)浮世絵師。通称は源八。号に芳月堂・丹鳥斎・文角などがある。1701年(元禄14)に,鳥居清信の画風をまねて絵本の版下を描いたのが,画家としての出発で,彼は16歳であった。初期には,清信のほか菱川師宣(もろのぶ)にも影響を受けた。政信が独自の画風をみせるのは,享保年間(1716〜36)の初めごろ,紅絵(べにえ)が盛んとなるころであった。街並や劇場内部の表現に透視遠近法を応用した浮絵を案出したり,幅広柱絵を工夫するなど,浮世絵版画に新風を吹きこんだ。これは彼が奥村屋という版元を兼ねていたので,大衆を浮世絵版画から遊離させないための工夫でもあった。墨摺絵,これに手彩色を加えた丹絵(たんえ)・紅絵・漆絵,さらに紅褶絵と発達する技法をこなし,美人画・役者絵を世に送り続けること60余年,錦絵が誕生する前の年に没した。代表作には版画に『助六』,肉筆画に『小倉山荘図』などがある。