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●大話 おおばなし

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 笑話の一類型で内容が際限なく誇張されたもの。『日本昔話名彙』によれば,「真似そこない」「愚か村話」と並び,「笑話」の中に分類される。実際にはあり得ない途方もない筋立てのものが多い。『紫波郡昔話集』の「額さ柿の木」の例を示すと,侍の下男が茶店で酒に酔って寝ていると,侍の子供達が来て柿を食いながら種を下男の頭に吐きつけた。それが芽を出し,木となり,実が成ったので,それを茶店に売ってまた酒を飲んで寝ていた。子供達が木を切ったら切り株からきのこが生えたので,それを売ってまた酒を飲んで寝た。切り株を掘ったら頭の池に水が溜りどじょうが泳いだので,それを売ってまた酒を飲んだ。最後には子供達も呆れて構わなくなった,という類のものである。柳田国男は,笑話は完形昔話の叙述の一部として添えられていたものが,そのおかしさが愛されて次第に独立したと考える。大話の「天上胡瓜」や「源五郎の天昇り」は植えた夕顔や茄子(なす)が生長して天に達したのを昇ってゆくという,「天人女房」によく似たモティーフをもつ。柳田の説を裏付ける例であろう。この類の話は空想を無限に飛翔させて人々を解放したと思われるが,一方話材の珍奇さを求めて卑猥化の傾向を強めることになつた。

〔参考文献〕柳田国男『口承文芸史考』1947,定本6 筑摩書房

関敬吾『昔話と笑話』1957,岩崎美術社