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●大伴旅人 おおどものたびと

アジア 日本 AD665 

 665〜731(天智4〜天平3)『万葉集』第三期の歌人。父は大納言安麿(やすまろ)。万葉歌人大伴坂上郎女(さかのうえのいらつめ)は,異母妹。子に家持(やかもち)がいる。728年(神亀5)大宰府へ下向。そこでの部下に山上億良(やまのうえのおくら)がいて,いわゆる筑紫(つくし)歌壇を形成した。旅人は赴任後愛妻を失い,その追慕に明け暮れる,一連の歌も残しているが,遠い都へ,思いをはせてもいる。大伴氏は,神代以来の武門の名家であるが,今はまさに衰えかけていた。730年(天平2)大納言として帰京するが,藤原氏の勢力が,着々と力を占め始めていた。自身の老いと,一族の衰退は,旅人を明日香の故郷へと,思いをはせさせ,終焉の歌「しましくも」は,望郷歌とされている。旅人の歌は,おおらかな美しい調べのなかに,浪漫的な空想と,老後の孤独を埋めることのできない,深い寂蓼とが,淡々としてこめられている。