●大国主命 おおくにぬしのみこと
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『古事記』『日本書紀』の出雲神話の中心的な神で出雲大社の祭神。神統譜では素盞鳴尊の子とも5世孫・6世孫ともいわれる。多くの別名をもち,『古事記』は大穴牟遅神・葦原色許男神・八千矛神・宇都志国玉神の四つをあげ,『日本書紀』の1書はさらに大物主神・大国玉神の二つを加え,六つの別名をあげているが,これらの名はそれぞれ別個に説話や歌謡を有しており,本来は個々の説話や歌謡や劇の主人公の名であったものが,記紀出雲神話(あるいはその原型)の作成時に“大国主”という名に代表されるようになったのであろうと思われる。大国主という名は“偉大な国王”を意味するとみられ,その実態は,特定の領域における共同体の崩壊と奴隷制を基盤とする階級分化の時期に,支配者へと成長した「王」の姿が,のちに国土造営にかかわる英雄神として物語られたものであろう。〔参考文献〕石母田正『日本古代国家論』第2部,1973,岩波書店