●大鏡 おおかがみ
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歴史物語。現在本には,3巻本・6巻本・8巻本の3種がある。「大鏡」という呼称は後人の命名か。作者は未詳。成立時期は鳥羽天皇の時代か。序・帝紀・列伝・藤原氏の物語・昔物語からなる。藤原道長がいかに偉大な人物であるかを明白にするとともに,その栄華と権勢の由来を究明することを主要な制作目的とする。文徳天皇の嘉祥3年(850)から後一条天皇の万寿2年(1025)までの14代176年間の歴史を『史記』の体裁にならい紀伝体で描く。万寿2年,月雲林院の菩提講に詣でた老翁,世継(よつぎ)と繁樹(しげき)の昔語りに,若侍が批判を加えるという形式をとる。文章は,和文脈が優勢な和漢混交文。「鏡物」の最初の作品で,歴史物語中の傑作である。世継。世継物語。〔参考文献〕松村博司『栄花物語・大鏡の成立』1984,桜楓社
松本治久『大鏡の主題と構想』1979,笠間書院
小久保崇明『大鏡の語法の研究続』1977,桜楓社