●王道・覇道 おうどう・はどう
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王道は夏・殷・周3代の先王の政道。覇道は春秋時代の覇者の政道で,戦国中期の『孟子』は天下統一の二つの理念としてこれを創唱した。『孟子』は一方では動機上の仁心と利心,方法上の徳化と武力とをもって王覇を峻別し,王道を勧め覇道を退けるが,一方では実力をもって天下の秩序を維持する点,覇道にも一定の価値を認め,「三王・五覇・今之諸侯」の序列を設定する(覇者に対する儒家の妥協ともいうべき肯定的評価はすでに『論語』にみえる)。戦国末の『荀子』はさらに覇道を積極的に評価し,王(純粋の儒家政治)・覇(儒家政治の併用)・亡(儒家政治の欠如)の序列を設定する。法家の『韓非子』では,秦の武力的統一の趨勢を反映して,王覇の別が消滅し,「覇王」の熟語が生じるにいたる。また『呂氏春秋』では漢初の思潮を反映し,道家的な「無為」による政治理念を「帝道」(五帝の政道)として王道に加え,帝・王・覇・亡の序列を設定するにいたった。