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●王船山 おうせんざん

アジア 中華人民共和国 AD1619 明

 1619〜92 明末清初の思想家・哲学者。湖南衝陽の人,名は夫之(ふうし),字は而農,号は薑斎(きょうさい)。船山とは晩年,衝陽の石船山に住んだための通称。青年時代には当時盛んであった文人結社の運動より影響を受け,明清交代に際しては断乎,明の側に立って奮闘し,一時は桂王永暦政権に仕えた。これ以後もあくまで漢族王朝たる明の遺民として生き,思索と著述のうちに生涯を終えた。彼の学は北宋の張載を継承した“気の哲学”をもって最も有名であり,中国では古典唯物論哲学の最高峰と評価されている。この方面には『張子正蒙注』『周易外伝』などの著がある。このほか,『読通鑑論』や『黄書』などにおいては経世のための独創的史論・政治論を展開し,また満州族の中国支配に対する強いいきどおりを発している。彼は顧炎武黄宗義と並んで清初三大儒の一に数えられているが,このような評価が定まったのは清末以後のことで,それまではまったく埋もれた存在であった。