●王士禎 おうしてい
アジア 中華人民共和国 AD1634 明
1634〜1711 清初の詩人。字は貽上(いじょう),号は元亭・漁洋山人,山東新城の人。何代も進士を出しつづけた名族に生まれ,自らも1658年(順治15)に進士となり,以後,官界を渡ること45年,刑部尚書にいたった。彼は銭謙益・呉偉業の後を承け,その独自の詩論“神韻論”をもって清初詩壇の大宗となった。神韻論とは,さかのぼっては唐の司空図(しくうと)の『詩品』,宋の厳羽の『滄浪詩話(そうろうしわ)』に淵源するもので,詩の表現は文字のほかに微妙な興趣・風味を帯びねばならない,とするもの。詩の妙処は作者より文字によって説明されるのではなく,読者の観賞にゆだねられるのであり,その詩は自ずと静謐な,象徴的に自然をうたうものとなる。のちに性霊説を掲げた袁枚(えんばい)は,王を一概に否定したのではないが,〈一代の正宗,才力薄し〉と批判した。著作は『漁洋山人詩集』など詩文集をはじめはなはだ多い。その詩説をみるには,自らの主張のもとに盛唐の詩を選んだ『唐賢三昧集』などがある。
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