●オーウェン
ヨーロッパ 英国 AD1771 ハノーヴァー・ウィンザー朝
1771〜58 イギリス社会主義の創始者。ウェールズ小手工業者の子。産業革命のただなかで生活した彼は時代の明暗を知悉し社会改良に尽力した。小店員ののち20歳の若さでマンチェスター紡績工場の支配人となって成功。ついで共同経営者兼工場支配人として,歴史上有名なNew Lanark紡績工場の経営を行った(1800〜1825)。そこでは労働条件の改善を行い,託児所では子供を保育し,共済店で生活用品を原価供給,病人には治療を与えた。疑心のなかで経営的にも大成功,当時社会改良のメッカといわれ見学者が雲集した。この経験から『社会に関する新観解』(1813)が生まれ,さらに壮大な北米インディアナ州でのNew HarmonY村建設がなされた(1825〜29)が失敗。この間に資本主義のもつ営利主義反対・私有財産制・既成宗教・現行婚姻制度など体制攻撃強化,巨大な生産力のもたらす貧困をみて問題は分配にありと考え,共栄互助をめざす協同体の形成,農工連帯の社会の形成などを主張するにいたった。北アメリカからの帰国後,労働者の小額出資による協同組合・消費組合運動(1831〜35),商品価値を労働日によって計算した労働交換所(1832〜34),政府に代わる全国的労働組織をめざし200万人以上の加入のあった全国労働組合大連合の結成(1833〜34)などを推進したが,利己心と利害の対立により失敗した。その後政治運動から離れ新道徳世界形成運動つまり初心に帰って社会環境改善による人間性改善運動に没頭,貧窮のうちに死亡。資本家の温情と人間性改革で理想社会実現を夢みた空想的社会主義者と批判されるが,のちの社会主義の理想や輪郭は彼の試行のなかに萠芽をもっている。
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