●園冶 えんや
アジア 中華人民共和国 AD1634 明
明末,1631年(崇禎4)になり,1634年に出版された造園理論・技術の専門書。著者は計成(1582〜?),字は無否,江蘇呉江の人。造園の専著としてはほとんど唯一のもので,関係文献中,最も高く評価される。全体は3巻で,まず総論,以下に11項目にわたる各論と系統だった叙述をし,かつ多くの図版を付している。各論は造園という見地からの建築に関する項目と,造園そのものについての項目に分けられる。本書は清代に入って以後,ほぼ完全に忘れさられ,遂には完全な原刻本の存在をみないまでになり,かえってわが国に数部が残っていることとなった。中国における本書の再発見・再評価は中華民国時代,中国造営学社の朱啓鈴らによる表彰をへてのちのことである。清代においてはなんらの反響もなく,近代にいたって再発見されたという点は,『農政全書』『天工開物』などと同様,明末の優れた技術書に共通している。