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●閻魔 えんま

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 閻魔大王のことで古くはインドの神Yamaに発するとされるが,中国での十王信仰と習合し,日本では地獄を司る大王としてみられている。閻羅王とも書く。ヤマの語は古くはインドのリグ=ヴェーダやペルシアのアヴェスタ教典にみられるが,人間の祖として崇められていく。このヤマは初めて死者となり冥界に赴くことになる。以来,人を冥界に導く神として,また冥界で生前の行を審判する神として恐れられる。この神が仏教に取り入れられて閻魔となるが,中国では泰山冥府の信仰と習合し,唐末五代にかけて十王信仰が流布される。これは偽経『預修十王生七経』によるもので死して初七日より三周忌までそれぞれ十の王の審判を受けるとされ,その五七(ごしち)三十五日に第5番目の王閻魔王の前に出され,浄玻璃鏡に生前の悪業が写し出されて,審判を受けるというものである。日本では『地蔵菩薩発心因縁十王経』が平安末期か鎌倉初期に偽作され,地蔵は十王の本地仏として,地蔵と十王の信仰が普及され,さらに十三仏信仰を生み出すに至った。閻魔信仰は因果応報の考えに裏打ちされた地獄観とともに庶民のあいだにも広がり,“ウソをつくと閻魔様に舌を抜かれるぞ”のような子供のしかり言葉にまでみられるほどに定着するようになった。江戸期には毎月16日を閻魔の縁日として,江戸市中100カ所の閻魔を回る行事があり,1月16日と盆の7月16日はとくに盛んであった。