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●捐納 えんのう

アジア 中華人民共和国 AD 

 中国の制度。政府が既定の歳入のほかに財政を補うため,人民に金銭または米穀を納めさせ,代わりに官職・資格または優遇を与えることをいう。損輸・損官ともいう。秦代に始まるが,初めは爵位だけであった。官を与えたのは漢の武帝のときが最初。以後歴代王朝が財政窮乏の対策としてしばしば用い,明代1450年(景泰1)以降は恒常的な制度となり,とくに清代はこの制度を利用することが非常に多く,軍事行動や治水のたびごとに行い,19世紀後半には中央政府の主要財源の一つとなった。対象の官職は京官で正5品の郎中,外官で正4品の道員,武官では正3品の参将にまで及び,そのために官吏の腐敗を助長する要因ともなった。なお,清代には人民が官職・資格を買うほか,官吏が上級の官職・資格を求めたり,降級や革職を回復するためにこの制度を利用する場合もあった。