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●遠隔地貿易 えんかくちぼうえき

アジア 日本 AD 

 古代から日本人による海外への交易は,中国大陸や朝鮮半島に限られていた。遣隋使遣唐使船,その後の日宋・日明貿易,朝鮮半島からの技術文化の渡来などの事例は,どれもこのことを如実に示している。偶然の結果として北方シベリアや南洋方面からの渡来者もあったが,意図的な交易船の往来は皆無であった。16世紀初頭から,スペイン・ポルトガルによる新大陸発見やインド航路の開拓の結果,ヨーロッパ人によるアジアへの進出が活発になってきた。1543年(天文12)のポルトガル船漂着は偶然の結果ではない。九州の大名によるヨーロッパ人との貿易が,ばく大な利益になることを知った織田信長・豊臣秀吉は,積極的に日本からの貿易船を仕立てて,巨利を得た。これに応じて,堺や大坂の商人たちが,実務を請負い,やがては当時の寄港地であるルソンやシャムに出かけて商取引をするようになった。南蛮貿易朱印船貿易とも呼ばれる。