●燕 えん
アジア 中華人民共和国 AD
中国古代の戦国七雄の一つ。現河北省北部から遼東半島にいたるまでを領有し,首都は薊(けい)(現北京付近)に置かれた。春秋時代には目立たなかったが,戦国時代には北辺の強国となった。前323年に王号を称し,前3世紀の初め,昭王のころに盛んに人材を登用して国力を強めた。「まず隗より始めよ」の故事で有名。昭王の時代には北辺に長城をつくって異民族に備え,名将楽毅が隣国の斉を占領するなど,勇名を馳せた。しかし昭王の死後は振るわず,趙にしきりに攻められた。折しも秦が強大化して燕に迫ったので,太子丹が荊軻(けいか)を派遣して秦王の暗殺をはかったが失敗し(前227,王喜28),逆に秦軍の猛攻を受けて首都が陥落,王の喜は遼東に逃れたが(前222,王喜33)に捕えられ,燕は滅亡した。燕を代表する遺物には明刀銭があり,また河北省易県にある巨大な都城址は燕の下都の遺跡として知られている。