50音順    検 索

●エリュトゥラー海案内記 エリュトゥラーかいあんないき

AD 

 1世紀,エジプト在住のギリシア人商人が紅海からアラビア海・インド洋方面の航海・貿易などについて記した案内書。ローマ帝政末期,東方の香料など奢移品に対する需要が増大した。そして,紅海・アラビア海・インド洋に「ヒッパロスの風」と名づけられた季節風の吹くことが発見され,これを利用してアフリカ・インド・東南アジアとの貿易が行われた。エリュトゥラー海は狭義には紅海をさすが,古代においてはペルシア湾・インド洋・ベンガル湾方面もこの名前で呼ばれていた。本書は,海洋沿岸の港や特産品について記しているが,東アジアの内陸部にティナイThinaiという都があり,そこでとれる絹がインドに運ばれていることなども紹介している。ティナイは中国のことである。その他,タプロバネ(現在のスリランカ)・クリュセ(マライ半島)などについても記述している。本書には実際の見聞にもとづく記述が含まれ,東西貿易に関する重要な史料である。