●撰銭 えりぜに
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「せんせん」ともいう。商取引の過程で,貨幣の善悪を選り分ける行為,また選られた銭貨をいう。平安時代以降貨幣経済が発展すると,中国からの渡来銭のうち磨滅・破損したものや,国内の私鋳銭なども流通過程に登場した。このため,悪銭を忌避する動きや打歩をつげて銭貨を授受する風習がおこり,商業活動に著しい不便を生じた。これに対して,室町幕府は1500年(明応9)撰銭令を出して,撰銭の制限と悪銭売買の禁止,違反者への罰則を令した。撰銭令には室町幕府のほか戦国大名や社寺などの出したものもあるが,ほぼ16世紀に集中している。内容的には上記のほか悪銭の通用を禁じたもの,また悪貨をもなるべく良貨に混ぜて通用させようとしたもの,輸入銭である永楽銭を標準貨幣として示したものなどさまざまで,それぞれの地域の経済発展の度合いや領主の利害関係に規定されたものであった。江戸時代になり,寛永通宝が鋳造・流通して,しだいに撰銭問題は解消した。