●エミック・エティック
AD
アメリカの言語学者パイクが提唱した文化研究の2視点をさす対概念。“音素的 phonemic”と“音声的 phonetic”の語尾からの造語で,エミック(イーミック)は,研究対象の個別の文化体系に関与的な規準による視点,エティックは研究者が比較のために設けた個別の文化体系にかかわらない規準からの視点をいう。個別文化の“内側”からみて潜在する体系を発見する研究がエミックであり,“外側”から規準をあてはめて特徴を記述する研究がエティックと呼ばれる。この二つの視点は相補的であって,エミックな規準を発見するための手掛かりとしてエティックな記述が必要とされる一方,二つ以上のエミックな規準の比較という目的なしにはエティックな規準は意味をもたない。注意すべきことは,エティックな記述が普遍的・客観的だというわけではなく,それ自身研究者の設定した体系に関与的という点で一つの“エミック”にすぎないという点である。