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●恵方 えほう

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 吉方得方とも書き,年の干支によって決められた方角のこと。中国から伝来した暦法によると,甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の十干に,五行の木火土金水を配して毎年の干支が決まる。毎年変わるこの方角を明きの方ともいい,そこから幸運が来ると信じられ,歳徳神が訪れてくるとされる。このため,その方角へ向けて恵方棚と呼ばれる棚をつくってまつるところがあり,毎年新しい板を用意し,新しい縄で天井から吊り下げるなどし,注連縄を張って餅・御神酒をあげる。最近では,床の間や神棚にまつり,臨時の棚はつくらないようになったところもふえている。恵方まいりといってその年の恵方の方角にある社寺に正月参拝することもあるが,初詣でと同じ意味で使われるきらいがあり,呼称の混同がみられる。東北地方には,前の年に最後の雷がなった山を恵方として,新年にはその方角から神が来臨すると考えるところがあるが,中国伝来の暦法によらぬ点で古い方位観念といえる。