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●烏帽子親 えぼしおや

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 男子が成年になるさいに頼む仮の親。元服親・褌親・九州北部の兵児(ヘこ)親・能登の前髪親などもほぼ同じ性質をもち,いずれもおもに関東以西にみられる。武家社会では元服の式が重要な意味をもち,中世には烏帽子を被る加冠の式が行われ,成人名を名乗ると同時に,烏帽子親がとられる習わしがすでにあった。一般庶民のあいだでは鳥帽子は着けなくなったが,その名称だけが残って使われた。ただ祝いとして褌や兵児が贈られたり,前髪を落としてもらう地域ではそれが呼称に用いられた。烏帽子親はオヤとかオヤブンとも呼ばれ,烏帽子子はコブンとかコドモブンなどと呼ばれる。相方のあいだで親子の盃が交わされ,擬制的な親子関係が結ばれる。オヤには村内有力者や本家,または縁の薄くなった親類が選ばれることが多い。オヤは以後コの結婚や子供の誕生などのさいに経済的援助を与え,コも折々の挨拶や農作業の手伝いをし,オヤの葬式には実子同様に参加した。