●エトス
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一般に性格を意味する語であるが,文化人類学ではある社会の文化を統合的全体としてとらえようとする場合に問題とされる。つまり,ある社会や民族を観察してその詳細を分析しようとする場合,組織全体にわたる特質,それぞれの制度間にみられる適合性,生活の諸側面の連続性が問題となる。エトスはこのような文脈において所与の文化の根本的価値観を表現すると考えられる概念である。研究史上最初にエトスの語が用いられたのはルース=ベネディクトの『文化の型』(1934)で,観察可能な諸行動から順次抽象化を繰り返すことによって行動型(pattern)・統合形態(confiGuration)がとりだされ,最後に所与の文化にたった一つのエトスが抽出されるとする。エトスは意識の中心的なものを記述することによって文化を統合的に研究するものである。しかし,抽象化によって,ただ一つのエトスを得る点にその方法論的限界を内包しているともいえる。