●衛士 えじ
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宮中の警衛にあたる兵士のこと。中国においては古くから衛士の制があり,唐の府兵制でも地方の折衝府から都城を守る十二衛に番上した兵士を衛士と称した。古代日本の律令制では軍防令・宮衛令に衛士についての規定がある。中央の軍備には五衛府があり,衛士はそのうち衛門府・左右衛士府に配属され,兵衛(ひょうえ)などとならんで朝廷軍の中核を構成した。衛門府の衛士は諸門の警備にあたり,左右衛士府の衛士は宮城・京中の警備を担当した。彼らは諸国軍国の兵士で,交替で京に上り勤務した。いわば地方出身の農民兵である。その人数はときによって変動するが,1,600人程度であったらしい。衛士になると課役が免じられたが,上京中は厳しい監督下に置かれた。令制では上番期間を1年としているものの,逃亡が相次ぎ,その弱体さは明らかになっていたため,朝廷は兵衛・舎人(とねり)などに武力の比重を移し,平安時代にはしだいに雑役に駆使される存在になった。