●エコロジー
AD
生態学と訳される。語源はギリシア語で,すみか(棲家)の研究を意味している。学問的には細菌・微生物から動植物のすべてに及ぶ分野で,生物と環境の関係を調べる学問で,元来,きわめて地味な学問であった。しかし,文明社会において肺結核の次に克服すべき近代医学の命題としての癌の研究においては,細菌の生態研究によって癌細胞の謎を解明するなどの点からエコロジーが一般に知られるようになった。とくに,公害などによる環境破壊が問題とされる時代に及んで,急激に脚光を浴びるようになった。また,『日本の鳥類と其生態』全2巻は,山階芳麿博士により昭和9年から16年にかけて刊行された鳥類の日本列島における生態研究の金字塔として,アメリカの“トリ勲章”ジャン=デラクール賞を受賞している稀有の業績である。本書のようにある地域内の動植物群,それらをとりまく気候・土壌・地形など,環境をも含め2生態系と呼ぶが,この構造・働き・変遷などを調べる学問。