●永仁の徳政令 えいにんのとくせいれい
アジア 日本 AD1297 鎌倉時代
1297年(永仁5)3月に鎌倉幕府が出した徳政令をさす。貧窮している鎌倉御家人を救済することを目的とし,御家人がすでに売却したり人質とした所領の無償取り戻しを認め,それに関する訴訟をうけつけないとする法令。この法令はまったくの新法ではない。御成敗式目制定以来,売買質入を禁止してきた先行法令がある。1285年(弘安8)には無償取り戻し令を立法化したこともあり,越訴禁止も数年前に法制化したことがあるから,それらをすべてまとめて出したものといってよい。非御家人や侍身分以外のものは除くもので,天下一同徳政ではないところに特色がある。しかしこの後徳政が行われてもその外という文面がかかれている。こうした事実をみると,あまり効果があがったものとはいえない。この法令は翌年取り消したという説は間違いであり,売買・質入れ禁止令を撤廃し,越訴制を認めただけである。ただこうしたものが出されたこと自体,北条政権の弱体化をみる。