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●瀛涯勝覧 えいがいしょうらん

アジア 中華人民共和国 AD 

 明の馬歓撰。1巻。東南アジアからインド,アラビアまでの20カ国の位置・風俗・物産・歴史・社会などを記す。馬歓鄭和の南海地方への遠征のうち第4次(1413〜16,永楽11〜永楽14)・第7次(1431〜33,宣徳6〜宣徳8)などに参加しており,本書は第4次遠征時の見聞をもとに1416年(永楽14)ごろ一応成立,その後1451年(景泰2)ごろまで補筆がつづけられたらしい。鄭和の遠征に伴う同種の書物として費信星槎勝覧』,鞏珍西洋番国志』などが存するが,本書が最も優れ,西洋人来航前夜にあたる15世紀前半の南海史料としてきわめて価値が高い。現存するテキストには原本系と張昇の刪訂本の2系列がある。前者は『紀録彙編』『国朝典故』『勝朝遺事』などに収められ,改訂・節略の多い後者も広く流布している。最良とされる『紀録彙編』巻62所収本を底本に馮承欽が校注本(史地小叢書,1935,民国24。のち人々文庫,1970,民国59),小川博が訳注(吉川弘文館,1969,民国58・昭和44)をそれぞれ作成しており便利である。