●ウパニシャッド
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ヴェーダに属する文献で,一般にブラーフマナの終わりの部分に収録される。広義のヴェーダの最終部にあたるため,ヴェーダーンタの別称がある。語源的には「近くに(ウパ)坐る(ニシャッド)」に由来し,師資相伝の「秘密の教え」を意味した。前6〜7世紀ごろより長期にわたって,ガンジス河中流地域で作成された一連の作品である。インドの正統バラモン思想の源泉として,その後の哲学・宗教の根幹を形成している。仏教など非バラモン思想興起の思想的な契機ともみなされている。内容は相矛盾する神秘思想を含んでいるが,その主題は宇宙の統一原理である「ブラフマン(梵)」である。これは元来ヴェーダのマントラ中に潜む魔力と考えられた。一方,一部のウパニシャッドでは,呼吸の意味から発展した「アートマン(我)」も小宇宙としての個我の統一原理とみなされた。この両原理の同一性(梵我一如)を力説するウパニシャッドもみられる。この梵と我との関係をどのように理解するかについて,のちにヴェーダーンタ哲学が成立した。インドのあらゆる宗教・哲学に採用されるにいたった「輪廻」や「業」の思想は,ウパニシャッドにおいて初めて確立したとみなされている。