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●乳母 うば

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 母親にかわって乳を与える女性。うばは本来,ひろく年をとった女をさす言葉で,老婆,祖母の字をあて,一種の敬称となる。乳母は上代にはチオモ・ミオモ・オモといい,中世にはメノト・オケ・オケノヒトとよんでいる。『古事記』の中巻の垂仁天皇記には,皇后が皇子を育てるため,御母(みおも)付けるよう願い出ている。したがって古くからある慣習『源氏物語』などに出てくるメノトは,身分の高い家ほど人数が多く,産児の成長後も相談役・監督役のような立場にたつ。今の規定では親王に乳母3名,その子に乳母2名となっている。中世になると男性の傅役(ものかく)も乳母とよぶ。乳母の子を乳兄弟(めのとご)という。江戸時代には春日局は家光の乳母であり実力発揮,また京の粟田口に将軍の乳母を求めたこともある。松平定信は乳母を下級旗本よりも大身より求めたいと述べている。世に乳母には相場があり,住込み給銀は江戸では銀100文とお仕着せが夏冬出ることとなっている。