●宇宙天体条約 うちゅうてんたいじょうやく
AD1967
正式名称は,「月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約」というもので,宇宙天体条約あるいは宇宙条約とも略称される。1957年10月にスプートニク衛星が打ち上げられて以来,宇宙空間はにわかに身近な存在となり,その探査と利用が急速に進むとともに,宇宙空間を国家威信を顕示する場にしようという動きも超大国のあいだに芽生えた。それに対し,宇宙空間の利用はあくまでも平和目的に徹すべきであり,核の戦場としてはならないという危惧感から,1958年12月には国連内に宇宙空間平和利用委員会が設けられた。その後,1963年から1966年にかけ,国連総会において宇宙の平和利用に関する宣言と決議も採択された。それを受けて,1967年1月28日,ワシントン・モスクワ・ロンドンで同時調印され,同年10月10日に発効したのが宇宙天体条約で,日本も当初から加盟している。条約の定める主な基本原則は,[1]月その他の天体を含む宇宙空間の探査・利用は,すべての国に開放されるもので,いずれの国も他国の妨害をしてはならない,[2]いずれの国も宇宙空間と天体に対する領有権を主張できない,[3]宇宙空間と天体は平和目的のためにのみ利用されるもので,核兵器の実験や軍事基地の設置などを行ってはならない,[4]宇宙空間に発射された物体については,その登録国が管轄権と管理権をもつ,[5]宇宙物体を打ち上げた当事国は,それが与える損害について,国際的に賠償する責任を負う,[6]宇宙飛行士は,宇宙空間に送られる人類の使者とみなし,事故・遭難・緊急着陸などの場合には,可能な限り援助を与える。以上のように,この条約は,一般的な基本原則を定めるとともに,軍縮条約的な性格も有している。また,月面の利用,宇宙物体の登録,損害賠償,救助などに関しては,具体的な記述の個別柔約も設けられており,未加盟国に対する加盟と批准が強く求められている現状にある。