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●ウシュル

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 10分の1を意味するアラビア語で,複数形はウシュール。イスラームでは,公共の目的のために課される10分の1税をいう。『コーラン』にはこの語がみえず,ムハンマドの伝記によれば,彼はアラブの耕作者からナツメヤシの収穫の10分の1を現物で徴収したとみえている。これは土地の生産物への課税で,土地そのものへの課税ではなかった。この税はしばしばサダカ(慈善−自発的な喜捨)・ザカート(五行の一つの喜捨)と同義に用いられ,厳重に区別しえない場合がある。イスラーム初期には,アラビア半島一帯で信徒たちのザカートのうち,土地を対象とするザカートとしてのウシュルが,非信者の土地にはハラージュ(一般の地租)が課せられた。征服による勢威の拡大とともに,多くの土地がウシュル地(ウシュリー,‘ushri)となって国庫を富ませたが,アッバース朝時代にはウシュリーは,しだいに廃止された。