50音順    検 索

●氏 うじ

アジア 日本 AD 

 古代社会における血縁的原理にもとづく豪族の政治的同族集団。氏は多くの家より成り,有力家族の首長が族長的地位に立ち,その直系・傍系の血縁者や非血縁の家族がこれに隷属していた。氏の首長を氏上(うじのかみ)というが,氏上は氏集団を率い,氏神の祭祀をつかさどり,氏を代表して朝政に参与し,その政治的地位に応じて姓(かばね)を与えられ,氏の成員である氏人も朝廷で地位を占める資格を与えられた。氏には,領有管理する地域のなかに住む農民や漁民として自営的な生活を営みつつ,氏に対し,あるいは氏の朝廷における職掌に応じて,貢納と賦役の義務を負う部民と家内奴隷としての奴婢が隷属していた。氏の名は,蘇我・平群など居住地の名や,物部・中臣・忌部など朝廷での職掌をもって称するものが多く,これらの氏の名の成立はほぼ5世紀の中ごろから後半にかけてである。大化の改新後,氏による官職の世襲や経済的特権の廃止が企図されたが徹底せず,氏の実質は古代を通じて残った。