●ウサーマ=イブン=ムンキズ
アジア 日本 AD1095 平安時代
1095〜1188 12世紀のアラブ詩人・文人。アレッポ近郊に所領をもつキナーナ族の名家の出身であったが,当時の政治的混乱の波にもてあそばれて多難な生涯を送っている。父親は知性あふれる城主であり,彼自身も世継ぎとしてその地位につくことを約束されていたが,親族に追われ,ダマスクス・カイロなどの支配者に仕えている。晩年には息子がサラーフ=ウッディーン(サラディン)に仕えたため,彼もダマスクスに移り住んでいる。彼は詩人として数冊の詩集を著しているが,むしろ晩年の著作で,『ムンキズの回想録』として知られる『キターブ=ル=イアティバール』で有名である。サラーフ=ウッディーンをはじめ当時の多くの支配者たちとその宮廷,戦争の実態に関する記述,テンプル騎士団員との交渉の逸話など,当時の社会の姿を浮彫りにしたこの著作は,11〜12世紀のアラブ史を知る際の貴重な文献となっている。