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●浮世風呂 うきよぶろ

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 滑稽本。4編9冊。式亭三馬作。北川美丸・歌川国直画。前編1809年(文化6),2編1810年,3編1812年,4編1813年刊。前編は,男湯にカメラをすえ,朝湯の光景の描写から始まる。昼時・午後と経過していく時間の流れのなかで,種々の人物を登場させ,登場人物の会話を中心に写実的な描写を行い,いささかならず滑稽な話題を展開させていく。2編・3編は,女湯に舞台を転じ,さまざまな各階層の女性たちを次々に登場させ,そのおしゃべりを具体的かつ克明に描写しつつ,世相・人情を描きあげている。4編では,再び男湯に転じ,上方者けち兵衛を中心に話を展開していく。近世後期の庶民の社交場であった銭湯に焦点をあてて,それぞれの生活基盤を背負った多数の人物を登場させ,その人物像を写実的な会話の描写によって浮かび上がらせつつ滑稽な話題を次々に展開する本書は,当時の世態・人情・風俗を描きあげる優れた滑稽風俗小説である。滑稽本の,また三馬の代表作であり,江戸庶民の生のありようを如実にうかがうことのできる作品でもある。

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