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●上田敏 うえだびん

ヨーロッパ 英国 AD 

1874〜1916(明治7〜大正5)英文学者・翻訳家・評論家。父絅二(けいじ)は昌平黌教授乙骨耐軒の第2子で、1867年(慶応3)幕府遣欧使節の一員として渡欧している。敏は15歳のとき父と死別、田口卯吉宅に寄遇して学業を続けるなど、苦労しているが、生涯、開明派の幕臣の血脈を誇りとしていた。東京帝国大学文科大学英文科在学中よりフランス語にも練達し、海外文学の新声を紹介して注目された。大学院ではダンテの研究に進み、その成果を『詩聖ダンテ』(1901)としてまとめる。小泉八雲からフランス文学への興味を、森鴎外から翻訳の態度を影響されるところ深く、『海潮音』(1905)の名訳は日本の近代史に新しい方向づけをするほどの影響力をもった。1907年から08年にかけて外遊、帰朝後京都大学教授となる。没後刊行された訳詩集『牧羊神』は『海潮音』とは対照的な軽快な口語訳であり、敏の言語感覚の豊かさを示している。

〔参考文献〕『定本上田敏全集』1981、教育出版センター

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