●ヴィルヘルム=ハインリヒ=ヴァッケンローダー
ヨーロッパ フランス共和国 AD1773 フランス王国
1773〜98 夭折した初期ロマン派の詩人。ベルリンに生まれ,エアランゲンで法律をともに学んで以来,ティークと終生の友情の絆によって結ばれていた。1793年,この二人がフランケン地方を旅したとき,ニュルンベルクで接したデューラーの作品は,彼の詩精神に決定的な影響を与えた。彼は,このドイツの代表的職匠画家の作品のなかに,さらには質朴なドイツ中世の芸術や魂の無限のひろがりと深みを形象化した音楽の世界のなかに,芸術と宗教との理想的統合を見出した。ヴァッケンローダーは同時にまた,ラファェロを中心とするイタリア=ルネサンス期の画匠たちの作品に,芸術家の敬虔な宗教的心情の結晶を発見し,超地上的な感動を覚えた。このような芸術特有の内面的世界に対する彼の純粋な信仰と帰依は,『芸術を愛する一修道僧の心情披歴(ティーク)』(1797)として結実している。この霊感と冥想の書は,ドイツ=ロマン主義運動の全般に多大な影響を与えた。ほかの重要な作品として,彼の死後ティークが加筆して出版した『芸術に関するファンタジー』(1799)があげられる。