●ヴァルター=フォン=フォーゲルヴァイデ
ヨーロッパ イタリア共和国 AD1170 両シチリア王国
1170ごろ〜1230ごろ,オーストリアの下級騎士の家に生まれ,ウィーンの宮廷でラインマルに師事した。抑制したことばで貴婦人への報われぬ愛,“高きミンネ”をうたう師の観念的で形式的な詩風に反発,宮廷の倫理的エトスを失うことなく,未婚の若い娘への自然な愛の感情“低きミンネ”をも賛美した。また格言詩を芸術的に高めたのも彼の功績である。1198年,主君の死後ウィーンを出てヨーロッパの諸宮廷を巡り歩く。彼の関心の的は“礼節”が重んじられ“まこと”が尊ばれる秩序ある帝国の偉大であり,シュタウフェン王家を擁護し,世俗の権力に介入する法王の非キリスト教的態度を激しく非難した。自らの深い体験を感性豊かに含蓄に富むことばで表現し,歌によって世のあるべき姿を示し宮廷人を楽しませつつ教化するその詩的才能は,彼をしてドイツ中世最大の抒情詩人たらしめた。