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●ヴァイス

北アメリカ アメリカ合衆国 AD1916 

 1916〜82 ドイツの劇作家・小説家。ベルリン近郊のノヴァーヴェスに生まれる。父親がハンガリー出身でチェコ国籍をもつユダヤ人であったため,ヒトラーの台頭とともにドイツから亡命。1939年以後は市民権を得てスウェーデンに滞在した。戦後ドイツ演劇の最大の収穫といわれた『マラーの迫害と暗殺』(1964)によって一躍世界的注目を集める。シュールレアリスム的手法を駆使して極端な個人主義者サド侯爵と徹底した革命家マラーとを対決させるこの劇においてヴァイス自身はそのいずれでもない第三の立場をとるかにみえた。しかしその後フランクフルトで行われたアウシュヴィッツ裁判にもとづく記録劇『追究』,ヴェトナム戦争のさなかに世界各国で同時に上演された『ヴェトナム討論』(1968)などの作品によってマルクス主義ヘ,さらには第三世界の立場へと傾斜していった。“突き離され,み捨てられた存在”としての自覚からあらゆる抑圧された者たちとの“連帯性”へと発展するヴァイスの内面のたたかいの経緯は自伝的小説『両親との別れ』(1961)・『消点』(1962),そして最後の長編小説『抵抗の美学』(1975〜81)にうかがうことができる。とくにこの最後の大作では,社会的政治的現実に絶望することなく,個の無力に対する抵抗の姿勢を歴史的視野において描こうとする彼の文学的原点が明らかとなる。