●因明 いんみょう
アジア インド AD
インドの古典論理学。サンスクリットのヘートウ=ヴィドヤーの訳。ヘートウは「由るところ」,ヴィドヤーは「明らか」の意。三段論法に似ているところがあり,断案(結論)にあたるのが宗で,その理由・条件にあたるのが因,大前提となる一般的真理を示すところにあたるのが喩となっている。たとえば,[1]すべての獣(ケモノ)は動物である,[2]すべての猫は獣である,[3]すべての猫は動物である,とすると,宗は[3]囚は[2]喩は[1]ということになる。この宗・因・喩による説明の仕方は,因によって,事柄が明らかになることから因明といわれるようになったという。このような説明の仕方は釈迦によりその教えを説くときにしばしば用いられたため,仏教以前のものを古因明,仏教以後のものを新因明と呼んでいる。因明の入門書に,唐の玄奘訳の『因明入正理論』,これに註解を加えた唐の窺基の『因明入正理論疏』3巻がある。