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●インフレーション

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 物価水準のある程度継続的な上昇を一般的にインフレーションと呼んでいるが,元来は不換紙幣の増発によって生じる物価騰貴をさしていた。インフレーションの原因は,総需要が総供給を超過する場合(デマンド=プル=インフレーション)と,賃金や原材料など生産要素の価格上昇によって生産費が上昇する場合(コスト=プッシュ=インフレーション)とに大別することができるが,両者は,相伴って発生する場合が多い。また市場の独占化によって価格のつり上げがひろく行われる場合にも物価は上昇する。急速に物価が上昇する場合にギャロッピング=インフレーションと呼び,緩やかに上昇する場合にクリーピング=インフレーションと呼ぶことがある。歴史上最も激しいインフレーションとして有名なのは,第一次世界大戦後のドイツにおこったもので,4年間に物価水準が約1兆倍に上昇した。通常,インフレーションは好況時におこりやすいものであるが,近年は不況とインフレーションが同時におこる,いわゆる“スタグフレーション”と呼ばれる現象がみられるようになった。

〔参考文献〕P.A.サムエルソン,都留重人訳『経済学』上 1982,岩波書店

新開陽一・新飯田宏編『インフレーション』1974,日本経済新聞社