●インドラ
アジア インド AD
前15世紀以降に西北インドに侵入したアーリア人の信奉した神の1人。『リグ=ヴェーダ』の讃歌の約4分の1がインドラに捧げられているので,最も愛好された神とみてよい。雷が擬人化された神らしく,ヴァジュラ(雷,のちに金剛杖)を持ち,神酒ソーマを痛飲し2頭だての馬車を駆って敵を破る。アーリア人の理想的戦士の面影が投影されているという。時代がたつにつれて,インド神話の世界では勢力を失い,西暦後のプラーナ文献では8人の護世神の1人となった。仏教にもとり入れられて,仏法の外護神とされた。武器のヴァジュラもとり上げられ,他の神の手に渡ったが,梵天(ブラフマー)とともに仏典にたびたび現れる。インドラの異名の一つがサッカsakka(力ある者の意)で「神々の主サッカ」ともいい,これを音写して「釈捏桓因」とされる。また神々の帝王サッカから帝釈ともいう。〔参考文献〕立川・石黒・菱田・島『ヒンドゥーの神々』1981,せりか書房
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