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●インドシナ山地民族 インドシナさんちみんぞく

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 主としてインドシナ半島北部の山地や丘陵に居住する諸民族をさす。多種の民族系統に分かれ,チベット=ビルマ語族に属する民族としてビルマのチン族カチン族やビルマ・タイ・ラオスにかけて分布するラフ族アカ族などがあり,オーストロアジア語族としてビルマのパラウン族やワ族,タイのラワ族,ヴェトナムのバナル族などがある。またオーストロネジア(マラヨ=ポリネシア)語族としてヴェトナムのジャライ族ラグライ族などがある。さらに中国南部から比較的新しく移住し,ヴェトナム・ラオス・タイに居住するミャオ(苗)族・ヤオ(瑶)族などもこの地域の山地民族に属している。このように民族や文化の系統は複雑多岐にわたるが,一般にこれら山地民の生業は焼畑農業で,陸稲・トウモロコシ・ヒエ・アワ・ソバなどを栽培し,豚・にわとりなどを家畜として飼う。一般に村落が政治的・社会的生活の単位で,親族組織では父系的な氏族制度が目立っている。精霊崇拝など原始的な宗教を信仰するが,地域によっては低地で信奉される上座部仏教(小乗仏教)が普及している。低地の水稲耕作民で,国家を形成してきたビルマ族やタイ族などからは未開な民族として扱われてきたが,近年はその生活もしだいに変わりつつある。

〔参考文献〕岩田慶治『東南アジアの少数民族』1971,NHKブックス