●院体画 いんたいが
アジア 中華人民共和国 AD
中国宋代の宮廷画院において成立した,在野とは異なった様式をさす。院体は花鳥・山水・人物などの趣味的・鑑賞的な絵画にいちじるしく,その特色は第1に形似を目標とし,写実的で精巧・細密なこと,第2に伝統的な格法を尊重したこと,第3に装飾的効果を重要視したことなどである。北宋初期には,花鳥画において蜀の黄筌に由来する黄氏体が,その装飾的な様式をもって画院に卓越し,院体と呼ばれた。しかし中期には崔白などが,江南の徐煕に由来する徐氏体を取り入れ,生意に満ちた新しい院体苑鳥画を打ち立て,この画風は南宋時代まで継続した。一方,南宋時代に入ると山水画においても院体が成立し,李唐劉松年・馬遠・夏珪などが北宋山水画とはまったく異なった,詩的表現に富んだ様式を展開した。この南宋院体山水画様式は,その後の中国絵画のみならず,李朝の山水画や,日本の室町・桃山の絵画にも多大の影響を与えた。
![]()